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千葉県支部 1/29(土)会員向けスキルアップ講座 -1/29(土)『かくれ新米防災士の迷走12ヶ月』実施報告

日  時:2022年1月29日(土) 20:00-21:10
場  所:ZOOMミーティング
開催名称:『かくれ新米防災士の迷走12ヶ月』
内  容:座学
話題提供:千葉県支部自然災害と情報活用コミュニティ
参加人数:17名

2022年1月29日、会員向けスキルアップ講座 自然災害と情報活用シリーズ 『かくれ新米防災士の迷走12ヶ月』が行われました。

【プレゼンテーションの内容】
・熊本地震をきっかけにした防災、「防災士」との出会い
・自称「元々地域活動に無関心」な発表者は、ついに来た久々の輪番で1年間の自治活動参加へ
・「はじめまして」のメンバー内では新参の、下層からのアプローチの事例として発表
・細かいことを見過ごせず一人悩んでは、結局従来どおりの選択を選ぶ繰り返し
 →立ち止まり悩むことは無駄でなく「備え」だった。機会が来て形になったことを実感
・コロナ禍でチームの時間がない中で、効率化のための試みをこまごま実行
・「この地域にも地区防災計画は必要」と思い至る(→困難なのですぐ断念)
・次々現れる課題をチームで片付ける一方で、次チームへの引継ぎまで見越して担当の垣根を越え一部ドキュメント化。随時チームの合意を得ておいた
・担当外への越権を容認してくれたチームメンバーの懐の深さに感謝
・会員住民へ防災情報その他を等身大・ボトムアップで毎月発信→共感の手ごたえ
・自身が多くの情報に溺れる中、発信の基準は「ニッチ」「熱意」「生の声」「ローカル」
・刺激が強すぎると感じた情報は省いて発信~「脅しの防災」って何?(キーワード提示のみ)
・ふとした瞬間に「本当に情報は発信するところに集まるのだ」ということを実感
・地域活動と仕事の両立の難しさ。初めは理解されず大先輩に声を荒げることも。
・対外的な自治活動等での家族との温度差にやりにくさを感じるのは私だけ?
・聞いてみたらとなりの芝生は青かった、友人宅の自治活動事情
・マンガ、小説、防災本、写真集、地名辞典、TV番組、災害シミュレーションゲーム~防災士として何をすべきかわからず、手あたり次第体験した防災・地学コンテンツ
・「町内で誰が誰と連絡を取りやすいか」「誰が何を知っているか」~非常時のために任期当初から共有できたらいいのに~でも知っていたからって私たちに何ができる?
・若い世代の新入居に歓迎の意を表したい~乳幼児等会費割引案(提案に至らず)
・「無事ですタオル」の作製・配布の実際と、やって初めてわかった意外な問題点
・「従来の担当ごとの縦割りの引継ぎ」に加えてヨコ視点で「班長の1年間の仕事内容ファイル」を作成&配布
・地域活動で気づいた事:誰もが全員忙しい/すべての道は防災へ/地域活動はご縁
・ご縁があって集まったチームで1年、「みんなで一緒にやっていく」こと

まず、地域の自治組織での1年間の取り組みについて詳細なお話しを頂きました。前例もある中での困難、世代の異なる人々との協働の難しさ、活動を共にするチーム内で時にはぶつかり合いながらも真摯に防災知識の啓発に取り組み、アイデアを形にし、1年で10年分にも当たるような活動をされた体験談は大変貴重かつ興味深いものでした。「日頃の親睦は無形の財産」という言葉には重みがあり、地域住民のコミュニケーションや自治組織の活動への取り組みに大きなヒントや刺激を頂ける内容でした。

後半の意見交換では、無事ですタオルの導入、防災意識の高くない地元住民の問題、地道な活動を続けることで積み重ね協力者が増えた事例、高齢者をリードするための志願制の固定組織の設立など、地域活動に関する問題について参加者の意見を聴くことができました。

既成の概念にとらわれることなく、より良くより効果的で住民のためになる活動を、自らの知性、行動力、スキル、アイデア、調整力をもって成し遂げられた好事例は、他の防災士の活動を後押しするものとなりました。地域にも良いレガシーとなり残るのではないかと感じました。

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千葉県支部 1/23(土)会員向け勉強会 -『複合災害時における避難所運営について①』実施報告

日  時:2022年1月23日(土) 16:00-17:00
場  所:ZOOMミーティング
開催名称:『複合災害時における避難所運営について①』
内  容:座学
話題提供者:避難所運営研究会
参加人数:13名

2022年1月23日、会員向け勉強会『複合災害時における避難所運営について①』が行われました。

【勉強会の内容】
1新型コロナウイルス感染症への対応概要(八街市)
・ポイント:水際対策/三密回避/感染防止の徹底/災害対策本部との連携/住民への事前広報・周知など
・市の事前対策:住民への事前広報・周知/市備蓄品の準備/避難所不足への対応
・避難者収容の前提と考え方:避難者スペース/水際対策/八街市の大震災時の避難者・収容状況/施設の使用/避難所施設の配置/避難所施設の配置担当班/
・震災に対する考え:分散避難、原則として在宅避難、避難しないための備えと感染予防の備え
・生き残れる!被災しない!被災者にならない!ための備えと普及・確認・継続を!

2. ビデオ視聴 恵那市【避難所開設】第2部 初動期の対応
〇視聴内容について意見交換:
・千葉県八街市では案内所と体育館前受付の2か所で防護服を着用し訓練している/発熱者用スペースでパーテーションのあるスペースと発熱者が車座になっている部屋があった。一人ずつパーテーションで区切れると良い。
・受付でマスクを外して話している避難者がいた。マスク着用を徹底すべき。
・受付には時間がかかり、待っているうちにトイレに行きたくなる人も出てくる可能性がある。使うトイレを分けるべきでは。
・訓練は暑い時期と見受けられた。高さ2mのパーテーションとビニールカーテンでは熱中症対策が必要(エアコンを体育館に設置できると良い)。
・[質問]身元確認はどうしているのか。[回答]八街市では行政区域ごとに行く避難所が決まっており、名簿で確認可能
・受付に地域住民の顔を知る人を配置する配慮が必要。
・寒い時期の受付についても、テントなど暖を取る手段が必要。
・暑い時期に受付で人が並ぶ場合、トリアージを行い、熱のある人、体調の悪い人を早く案内できるようにすると良いのではないか。

3 テーマに沿った意見交換
・発災後1、2日目に避難する人は少ない。1週間後に6-7割、2週間後に9-10割が避難する。HUGのように多くの人が発災直後に避難することはないがどうか。
・船橋市の例:昼と夜の人口の違い、地域在住の人と勤務の人の違いがある。マンションに取り残されるがエレベーターが使えなければ水や食料の配布は無理
・[自治体の方の意見]大震災の避難行動としては自助共助で地域で3日間持ちこたえ、すぐに避難所に行かないようにしてほしい。発災直後で避難所をケアできる職員の数は限られている。発災直後は人命救助に当たる。それが終わってから全力で避難者のケアをする。昨年5月より福祉避難所の利用者は直接福祉避難所に行ける体制がとれるようになった。個別支援計画を作ることとなった。
・福祉避難所利用者の名簿管理:障がい者と高齢者、関わる人の名簿を分けている。情報提供OKの人から消防団、民生委員など関係機関に情報提供されるが、登録は40%程度
・避難所における新型コロナウイルス感染症への対応に関するQ&A(第3版)に記載されている感染性廃棄物の処理方法(ビニール袋を二重にしばり一般廃棄物として処理)は不適切では。
・感染拡大期における避難所運営については解決策が見出しにくく決まっていないことが多い
・地域の方だけでゾーンニングが訓練すれば素早くできるのか?避難所を運営する自主防や町会役員が高齢で基礎疾患のリスクをおかして避難所に来るとは思えない。外部からのボランティアも期待できないと思っている。そう考えると、止むを得ない場合以外はまずは「避難しない」ことを周知、実現することが重要ではないか。
以上

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千葉県支部 1/15(土)スキルアップ講座 -『阪神淡路大震災 神戸YWCA救援センター 8ヶ月間の経験と教訓』実施報告

日  時:2022年1月15日(土) 20:00-21:20
場  所:ZOOMミーティング
開催名称:『阪神淡路大震災 神戸YWCA救援センター 8ヶ月間の経験と教訓』
内  容:座学
話題提供者:徳永由美子さん(佐倉市)
参加人数:15名

2022年1月15日、会員向けスキルアップ講座 『阪神淡路大震災 神戸YWCA救援センター 8ヶ月間の経験と教訓』が行われました。

【プレゼンテーションの内容】 (当日使用した資料はこちら)
・阪神淡路大震災の被害状況
・焼け野原となった長田区
・活断層型地震の被害-断層上に線状に被害が集中
・家を失う市民多数、つぶれた家からの救出が続く-家の中から着の身着のままで這い出てきた人たち/消火活動もできず/避難所には日を追うごとに避難者が増える/寒さとの闘い/当時はトイレの備えもなし
・一人一個のコッペパンや給水にならぶ市民-まともなものが食べたい!
・指定避難所はステージや階段まで人がびっしり-阪神淡路大震災後の避難所運営は改善されているが、まだ途上
・避難所からあふれた人々はビニールシートを使ったテント生活
・避難所が不足し行政が次々と避難所を追加登録
・ボランティア拠点10か所のうちの一か所が神戸YWCA
・YWCAのチャペルに被災者が避難し、神戸市に避難所登録-救援物資を無料配布する救援センター設置-物資の仕分けに時間と労力がかかる/避難所外ボランティアが物資を届ける/学生ボランティアは最低5日間泊まり込みが条件(レク含む)/発災直後から経時的に変化するニーズ(2月からは情報提供のニーズが増え、コミュニケーション機能がカギとなった)/仮設住宅で孤独死/ボランティアの質の変化(救援から自分の体験を求める人々へ)/大学生ボランティアは4月に授業が始まると激減/サリン事件の後、震災関連のメディアの報道が減る
・社会問題のクローズアップ-災害のダメージをより強く受ける社会的弱者
・ボランティアとして直面した課題-支援者と被災者の関係/非効率的な支援物資の扱い/支援と被災者の自立の関係など/ロケーションの悪い仮設住宅入居によるコミュニティの崩壊
・ボランティアのケア(抱え込んでしまわないために)
・神戸市は7月に避難所解消→神戸市役所に座り込み抗議!
・最終的に10か所の学校避難所が「待機避難所」として継続
・首都直下地震への備えを!-減災や備蓄を条例で推進できないか/在宅避難訓練/避難所外コミュニティの把握/避難所から地域を包括的にケアする救援センターへ/全国に避難した人のコミュニティづくり

まず、阪神淡路大震災で被災しながらも長期間支援活動にあたられた実体験や問題点について、詳細なお話しを頂きました。実際に支援に携われた体験談は大変貴重なもので、詳細で重みがあり、当時防減災の概念も未熟であった中での困難な活動や被災者の苦難、更にはそこから浮かび上がった問題点を詳細に学ぶことができました。

後半の質疑応答では、近隣の共助の重要性、仮設住宅の問題点やコミュニティ作りの試み、その後の災害研究の進歩と支援者に対する啓発の充実について参加者から質問やコメントがあり、支援に携わった自衛隊関係者からのお話し(当時の経験、判断やその後の災害支援資機材などの進化)も伺うことができました。

防災士の原点でもある阪神淡路大震災から27年が経過しましたが、当時より進歩した点、未解決の課題などを垣間見ることができました。首都直下地震への備えを改めて考える貴重な機会となりました。

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千葉県支部 12/18(土)マンション防災研究会勉強会 『エレベーター救出訓練の模様と安否確認に使用するツール情報』実施報告

日  時:2021年12月18日(土) 20:00-21:00
場  所:ZOOMミーティング
開催名称:『エレベーター閉じ込め救出訓練の模様と安否確認に使用するツール情報』
内  容:座学
話題提供者:マンション防災研究会 熊澤晃さん(松戸市)
参加人数:13名

令和3年12月18日、会員向けスキルアップ講座 『エレベーター閉じ込め救出訓練の模様と安否確認に使用するツール情報』が行われました。

【情報提供の内容】
・無事ですタオル、無事ですリボンの使用例・訓練事例
・視認性の良い安否確認ツールの情報(蛍光素材、多様な色彩の使用)
・エレベーター救出訓練事例
・マンションのエントランス展示における子供と親世帯を巻き込む防災啓発の取り組み事例
・マンションにおけるエレベーター改良工事事例(地震発生時、積載電池による最寄階自動停止とガイドの補強)

まず、複数のマンションや地域における安否確認ツールや訓練事例、安否確認用新製品、止むを得ず住民が行う場合のエレベーターの閉じ込め救出の手順や重要な安全に関する注意点(依頼すればエレベーター定期点検の後に住民向けの救出訓練を実施してもらえます)、マンション防災の啓発活動事例について情報提供が行われました。

後半の質疑応答や意見交換では、エレベーター救出を住民が行う際の注意点の再確認、手順、消防関係者からの質問や意見、ガラス飛散防止シートの施工、防犯上の観点から見た無事ですタオル掲示訓練の問題点とその対策、SOSタオル導入の是非、要支援者の個人情報の扱い、要支援者への対応と近所づきあいの重要性など様々なトピックについて活発な議論がありました。

マンション防災には人口密度の高さに起因する独特のコミュニティ形成や安否確認の用件、要支援者対応の問題があります。同時に戸建ての団地にも共通する課題も多く見られ、さらに議論を深める必要性が感じられました。

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千葉県支部 11/6(土)スキルアップ講座 -『令和元年台風15号における富津市のボラセン立上・運営』実施報告

日  時:令和3年11月6日(土)20:00~21:15
場  所:ZOOMミーティング
開催名称:令和元年台風15号における富津市のボラセン立上・運営
内  容:座学
話題提供者:高木一彦さん(富津市)参加人数:16名

令和3年10月30日、会員向けスキルアップ講座 『令和元年台風15号における富津市のボラセン立上・運営』が行われました。

【プレゼンテーションの内容】
・富津市の概要
・房総半島台風被害状況-住家被害、倒木・土砂災害、道路通行止め、ライフライン
・ボラセン立ち上げまでの流れ
・ボランティアによる被災者支援状況-高所・ブルーシート案件、瓦礫の撤去、家屋の片づけ、特殊機材・技能を要する案件
・ITの積極的な活用-Facebook、HPで情報発信、事前予約システムの構築と活用
・マスメディアの影響-報道を契機に多くのボランティアが集まるになる
・災害ボラセンへの応援状況(スタッフ、物資など)
・ボラセン運営に関わって

講師より、令和元年の房総半島台風の際の富津市におけるボランティアセンター立ち上げから運営、復興期への移行を含む体験の紹介がありました。被災者のニーズ調査を徹底的に行い、Facebookを活用した、被災者優先かつフレキシブルな対応が行われていました。これにより、効率的かつスキルを持ったボランティアの力が発揮される運営が可能となり、最終的にはニーズ0を達成するまで活動することができました。今後の課題として、災害ボランティアセンターのサテライト開設によるより効率的な対応などが挙げられました。

参加者を交えた意見交換では、公的機関(行政、社協、消防、自衛隊)などとの協力体制や指示系統、他のボラセンとは異なる柔軟な運営による、多くのボランティアの力の活動やネットワーク形成について更に理解を深めることができました。また、ボランティア保険についての情報共有がありました。
更に、取り組み中の事例として、習志野市における災害時の官民参加の協力の仕組み構築について紹介がありました。
防災士として何ができるのか、どのような体制で動くべきかを今後掘り下げて検討すべき課題として認識しました。

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千葉県支部 10/30(土)会員向け勉強会 『大事な人の避難行動を考える~大雨災害から命を守る~』実施報告

日  時:令和3年10月30日(土)20:00~21:15
場  所:ZOOMミーティング
開催名称:大事な人の避難行動を考える~大雨災害から命を守る~
内  容:座学
話題提供者:板井秀泰さん(印西市)
参加人数:15名

令和3年10月30日、会員向けスキルアップ講座- 『大事な人の避難行動を考える~大雨災害から命を守る~』が行われました。

【プレゼンテーションの内容】
・平成30年7月豪雨では、避難する際に参考にした情報は「特になし」、「周囲の環境が悪化してから避難を開始した」人が多い。高齢者だけでなく、子供や現役世代も多くの尊い命が失われている。
・最初に押さえるべき重要事項は、身近に、災害の起こりやすい場所(周囲より低い、斜面の近く)があるかを認識すること。
・危険な場所から避難する先は、自治体の指定した避難所だけではない。
・3つの条件を満たせば、自宅に留まり安全を確保することも可能。
・自治体の発表する避難情報で確実に避難(安全な場所にいる人まで避難する必要はない)。
・外の状況は刻々と変わるので、避難情報が発表されていなくても、防災気象情報を参考に早めに自主避難開始。
・大雨時、行政がひとりひとりを助けられないことを理解し、みずからの命はみずからが守ることを強く認識する必要あり。
・避難行動を促すものとして、顔の見える人からの声掛けも有効(「逃げなきゃコール」などのサービス)
・高齢者の早めの避難は、お年寄り本人の命を救うことだけが目的ではなく、家族や民生委員などを守ることにつながる。

講師より、データや事例、イメージ想起に役立つモデルケースを設定した講義が行われました。最初に、避難が必要な場所や、警戒レベルの高まりと避難行動との関係を確認し、次に、千葉県に大きな被害をもたらした令和元年10月25日大雨事例を用いて、避難開始のタイミングを参加者で確認しました。自治体の発表する避難情報が避難行動開始の基本となりますが、その時点で「激しい雨」により屋外の移動が難しくなっている場合や、夜間で移動が危険になる場合があることがわかりました。このため、防災気象情報等を参考に、警戒レベルの低い段階から早めに避難を開始する選択肢があることを理解しました。

参加者を交えた意見交換では、早めに避難を開始しても、自治体が避難所を開設していない懸念が示されました。避難先として安全な場所に住んでいる知人・親戚宅などがあることや、避難所開設状況、防災気象情報の入手手段として、携帯端末のアプリやテレビのdボタンの活用も確認しました。また、各地域における避難行動の呼びかけ、避難所開設などの取り組みや現状、問題点も紹介されました。
危機感を感じ避難行動を起こしてもらうことの難しさは、地域の様々な人が問題意識を持ち連携して対応してゆくべきことであり、今後も議論を続けるべき問題であることを痛感させられました。

〇勉強会の内容は、支部ホームページの<防災コラム>にも掲載。
https://chiba-bousaishikai.jp/?p=1603

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千葉県支部 10/16(土)会員向け勉強会 『マンション防災は「集住」の力を活かせ!-「自助」と「共助」をつなぐ「互近助」のはたらき』実施報告

日  時:令和3年10月10日(土)20:00~21:15
場  所:ZOOMミーティング
開催名称:マンション防災は「集住」の力を活かせ!-「自助」と「共助」をつなぐ「互近助」のはたらき
内  容:座学
話題提供者:渡辺一男さん、内田博司さん防災士(千葉市)
参加人数:8名
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令和3年10月10日、会員向けスキルアップ講座- 『マンション防災は「集住」の力を活かせ!-「自助」と「共助」をつなぐ「互近助」のはたらき』が行われました。
【プレゼンテーションの内容】
・幕張ファミールハイツ ささえあい会(互助組織)について-高齢者、要支援者の生活支援と見守り活動を実施
・当該マンションの強み-活発なサークル活動
・参考事例:東京都昭島市「つつじヶ丘ハイツ北住宅」防災訓練
・幕張ファミールハイツの現状-総戸数576戸、築38-40年、居住者の約50%が65歳以上、バリアフリーになっていない
・当該マンションの組織-管理組合 理事会/自治会+防災会/ささえあい会
・課題-管理組合理事会、自治会、防災会、ささえあい会の協働が進まない現状
・協働できない理由と協働するための改善案
・早急にやるべきこと-災害時の安否確認の即時化・システム化と救助の即時化
・防災・防犯・介護・医療の連携を考えた予測・予防と生活支援-、「地域包括ケアシステム」の導入へ
・当該マンションのビジョン-自助と共助をつなぐ「互近助」の導入/強い絆のコミュニティづくり
・東日本大震災の被害

まず、話題提供者より大変内容の濃い事例報告が行われました。大型マンションを支える運営組織は整っているものの、2年交替の輪番役員により運営される管理組合理事会、自治会、防災会と、恒常的役員が運営を担う互助組織の協働がうまく行われず、自助・共助の取り組みが有機的に進みません。輪番役員と互助組織の恒常的役員の意識の差が大きな隔たりを作っています。住民の高齢化も進んでおり、2025年問題も切迫した課題となっています。このような問題を解決すべく、各組織間の対話が続けられています。
参加者を交えた意見交換においても、長年かけて築かれた理想的とも見えるシステムが現実として直面する問題解決につながらないという課題や、現状の打開策などについて話し合われました。一朝一夕に良い解決策は見出せませんが、内外からの粘り強い働きかけや取り組みによって自助・共助の意識向上を働きかけることも問題解決の一助になるかも知れません。今後も議論を続けるべき問題であることを痛感させられました。

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奈良県支部 コロナ感染症に配慮した避難所運営

 10月24日、かんまき自主防災ネットワーク主催 「コロナ感染症に配慮した避難所運営」のワークショップが開催されました。本講座は、令和3年度上牧町協働のまちづくり公募補助事業「コロナ禍の災害対策ワークショップ」の一貫で行われています。今回は、町内の防災士、自治会役員ならびに役場職員の方26名に参加頂きました。次月開催のコロナ禍における避難所開設・運営訓練の事前学習の位置付けでもあり、映像による学習会でしたが、熱心に視聴頂き、災害時の避難所運営に関する事への関心の高さを感じました。女性の防災士の方も多く参加頂きました。質疑にて新型コロナ感染症への対応や要配慮者、ジェンダーなど含めた多様性への対応についてもご意見を頂き、著しい環境変化の中での避難について、考えを共有できたとは大変勉強になりました。受講アンケートは集計中でありますがこの様な会を開催する事に関しては、大きな期待を持たれていると受け止め、今後につなげていきたく思います。最後に、講座の受付に際し、災害時に役立つ避難所運営の小物ツールの活用事例も取り入れたので、次回の実施訓練時に思い出し活用頂ける事を期待しています。
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千葉県支部 会員向けスキルアップ講座 -自然災害と情報活用シリーズ- 『房総半島を襲った過去の地震を研究する』

日  時:令和3年9月25日(土)20:00~21:05
場  所:ZOOMミーティング
開催名称:-自然災害と情報活用シリーズ- 『房総半島を襲った過去の地震を研究する』
内  容:座学
講師:石川孝防災士(茂原市)
参加人数:20名
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令和3年9月25日(土)、会員向けスキルアップ講座-自然災害と情報活用シリーズ-  『房総半島を襲った過去の地震を研究する』が行われました。
【講義の内容】
・房総半島を襲った過去の地震
・千葉県に被害を及ぼした主な地震
・延宝地震の被害状況
・元禄地震の震源域
・元禄地震の被害
・元禄地震の供養塔
・房総半島の隆起と沈降
・江戸時代の避難所
・延宝・元禄地震に基づいた浸水予想図
・房総半島の震度分布
・今後の地震への警戒
房総半島で過去の地震・津波被害について、フィールドワークも含めて丹念に収集された客観的な資料を基に、詳しい説明がなされました。
また、参加者との意見交換が行われ、今後房総半島でいつ震度6強の地震が起きてもおかしくないこと、津波に対する必ずしも科学的ではない楽観論、津波の遡上が十分に考慮されていない防災計画の問題点、広域避難を含めた住民の避難行動等について知見が示されました。
過去の災害の歴史を知り、地震への警戒や備えについて認識を新たにする良い機会となりました。

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千葉県支部 会員向け勉強会『知っているようで知らない、命を守るためのひと工夫』実施報告

日  時:令和3年9月11日(土)20:00~21:10
場  所:ZOOMミーティング
開催名称:勉強会『知っているようで知らない、命を守るためのひと工夫』
内  容:座学
話題提供者:西川正防災士
参加人数:12名

令和3年9月11日、会員向け勉強会-『知っているようで知らない、命を守るためのひと工夫』が行われました。

【話題提供者からの発表】
●要介護の高齢者と同居し、在宅避難を想定した対策
1 最低限の防災準備:旧耐震家屋の補強
2 最低限の食料を確保:普段食べる食品をローリングストック
3 移動は車:最低限の避難ができるよう避難用品や介護用品を車にも備蓄
4 インフラが途絶してもある程度は耐えられる:水、電気、ガスの確保
5 医療への連携ができる:車にお薬手帳を常備、飲み薬を定位置に整理
●知っているようであまり注目されない事
・普段使いの眼鏡などは予備を準備
・介護の視点で考えると必要なもの:老眼鏡/入れ歯/おむつ/口腔清浄用品/杖など
・介護者不在時の対応:安否確認方法/外部への連絡方法(近所への説明とお願い)
●介護目線での工夫
・マジックテープやS字フックを使い身の回りの物の定位置を決めて整理
・靴等をベッドの下に常備
●身近で使うものはサイドテーブルに
・地震等で散乱しないようにトレーに入れておく:トレーをマジックテープで固定
・懐中電灯やランタンには紐を付け、首から下げられるように+紛失防止
●安否確認ができるように
・ネットワークカメラを使い、スマホで家の状況を確認できるようにした
●外部へ助けてコールができるように
・ブザーを居室やトイレ、風呂場などに設置、設定により家の外にも聞こえるようにした
●介護用品の流用
・災害時のトイレについては介護用品のトイレを流用
【参加者との意見交換、情報共有】
●車に常備するもの
・発電機を常備
・燃料は常に満タンに。ガソリン缶を車の中に常備
・車のガラス破損を想定しビニール袋を備える
●インフラの確保、備蓄
・自宅の庭にテントを張り避難できるようにしている
・防災井戸を確保
・水の備蓄はウォーターサーバーを活用
・アウトドア用品を活用
・情報通信手段の確保:トランシーバーと発電機を用意
・特別な非常食は用意しない、地域のどの家庭も1週間ほどの食品を持っていることが前提
・備蓄は一時避難所用、指定避難所用、在宅避難用と分けて準備
・食品は賞味期限を管理して定期的に棚卸し
・1回で食べきれるサイズの防災食は携行に便利
・懐中電灯と笛を寝室に常備
・着替え等のために透けないレインポンチョを常備
●共助
・避難は近隣で助け合う
●マンション
・水回りの使用は要注意
・戸棚が開かないよう固定器具を取り付け
・マンションそのものは耐震構造だが下水への接続が耐震ではない

介護目線で行われている在宅避難に関する取り組みに関し詳細に紹介された他、参加者からも日頃の備えや取り組みに関する情報や事例の共有があり、充実した勉強会となりました。

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日本防災士会

Author:日本防災士会
日本防災士会は、会員相互のネットワーク構築とスキルアップを支援し、地域防災力の向上に寄与することを基本理念として活動に取り組んでいます。

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