滋賀県支部 滋賀大生が防災マップ作成
滋賀大生が防災マップ作成

地域の防災・避難マップを作成しようと、彦根市の滋賀大生12人が、彦根市池州町で「まち歩き」をした。地元自治会やNPO法人日本防災士会とともに、町内の危険箇所や避難経路などを見て回り、図面に盛り込む情報を収集した。 マップ作成は、地域住民との関わりを通して、学生の就業力育成を目指すプロジェクト科目の一つ。
大学から一キロ足らずで民家が密集する池州町は九月の台風18号で町境を流れる芹川が増水し、避難指示が発令され多くの住民が避難した。大雨を契機に住民の防災意識が高まっていることから、大学が自治会にマップ作りを提案、自治会も協力して取り組むことになった。
学生たちは、地元自治会長と日本防災士会滋賀県支部の安井務副支部長(68)の先導で町内を巡った。深夜1時半に震度6強の地震が発生し、豪雨による大雨特別警報が発令されたと想定し、家屋の倒壊や芹川の氾濫などをシミュレーションしながら歩いた。
学生らは、消防車が通れるか狭い路地の幅を測ったり、一時避難場所になりそうな空き地や駐車場を写真に収めたりして情報を収集。消火活動で重要になる水路の場所や、外壁に取り付けてあり地震で落下しそうな室外機の位置など、気付いたことを地図に書き込んでいった。
大学生は「トランス(柱上変圧器)が重りになって電柱が倒れることがあると知り、地図だけでは気付かない危険箇所がたくさんあることが分かった」と現地を歩く大切さを実感していた。
地元自治会長は「住民が気付かない危険部分を、学生たちの視点で見つけてもらえるはず。作ってもらった地図を参考に地域防災に生かしたい」と語っていた。
(11月29日 中日新聞 掲載) 文責 事務局長 溝江 誠