千葉県北部支部 習志野市吹上苑町会で家具類転倒防止に関する出前講座開催
習志野市吹上苑町会で 家具類転倒防止に関する出前講座開催
災害はある日突然やってきます。 「今」かもしれません。
そんな臨場感いっぱいのタイトルのもと、 防災講話が始まりました。
時は5月11日(日)11時、場所は習志野市屋敷公民館、近くに住む吹上苑町会の約50名の皆さんへの、 当支部 中村(利)防災士による家具転倒防止に関する出前講座の始まりです。
私達の現実の生活に視点を置いた防災、 減災。 大地震の襲来も、 先ずは己の命を守り抜く自助の確立。そのために日頃からどんな心構えで、 どんな準備をして置けばよいか、そして己が生き抜いたら、 生に向けてもがいている近くの人を一人でも多く助けなければならない。そのために日頃からどんな心構えで、 どんな準備をして置けばよいか。
講師の経験豊かな語り口と説得力豊かな映像がベストミックスし、聴衆は皆熱心に、この講話にただひたすら、 視聴覚を集中していました。
① 揺れを感じたらどうする。 ガタガタという音を鑑賞していてはダメ。 すぐに身を守る。 頭を両手のひらでおおい、 しゃがみこみ机やテーブルの下に身を置く。 要はいち早く揺れからの被害を最小限に抑え込む姿勢をとること。 これが自助の原点。
② その自助の原点を大地震に遭遇しても可能にするものは何か。言うまでもなく日頃の自助に向けての心構えと準備にある。 先ずは今住んでいる家の耐震性は大丈夫か。 基準をクリアしているか。 一日のうちで一番長く居る場所はどこか。 一般的には寝室と居間。 そこにある家具、テレビセット等は大きな揺れに耐えられるか。計画的に日々、大地震をイメージして、 家具類の転倒防止策を具体的に実行しなくてはならない。
・家具を L字金具などで壁に直接ネジ固定する方法
・家具の上部と天井の間に、 ポール式や隙間家具等で家具を固定する方法
・マット式やストッパー式器具の単独使用の方法
・上記の転倒防止方法の併用による効果アップの方法

いろいろなケースを掲げ、器具、工具等の現物を用いての講話は説得力満点。
※たまたま当吹上苑町会には自主防災会と並立して「おたすけ隊」も組織されており、その「おたすけ隊」の面々も、当町会の会員宅を個々に訪問し御用聞きの上、家具類の転倒防止策の具体的実行支援に取組みたいと、 聴講後張り切って話していました。
③ 阪神・淡路大震災では死因の 8割以上が家屋や家具の転倒による圧死、 窒息死であった。
また、建物の倒壊に巻き込まれた方のうち、約8割が地域住民の手によって救出され、そのうち約8割の方が助かったとのこと。
大規模災害になった時、行政機関や自治体の公的支援が機能するには時間を要する。 1秒を争うような事態では、 自分達で自分達の身の安全を守り、 隣近所の人達と協力して被害にあった人達を救助、 救援する必要があります。 まさに共助の世界が展開されなければなりません。
④「共助とは共に助け合うこと」。誰が誰を助けるか、主語がはっきりしていない。そこで防災・危機管理アドバイザーの山村先生は究極の減災概念として「近くの人が近くの人を助ける防災隣組」の必要性を強調し、「近助の精神」の重要性を提言しています。
⑤ 自治会を下敷きにして自主防災会が阪神・淡路大震災以降、行政の支援により年々多くの地域で組織化されています。また最近では東日本大震災の体験から、いざという時の自助、共助の重要性が広く国民的に理解されてきましたが、 そのことを日常の生活の中で具現化されているか、私達ひとりひとりがセルフチェックしなければなりません。先ずは災害時の自助の最重要性を自覚すること。 そして生き延びたら近くの人を助ける、 「近助の精神」を発揮できる 「ボランティアとしての気づきと実行力」 を日頃から鍛錬しておくことが大切です。
⑥「近助の精神」を可能にするものは「防災隣組」にあります。昭和の戦時下を生き抜いた人びとには、 戦時体制のために作られた強制的戦時組織としての 「昭和の隣組」 にはそれぞれに思いが異なることでしょう。 しかし山村先生が提唱している 「防災隣組」 は、 自分や家族の為に自らの意志で作る自由な共同体をイメージしています。 どんな災害にも耐え抜き生き抜く為に、 日頃からの近所同士で助け合う、 互恵関係重視のコミュニティーづくりをめざしています。
⑦そして流れた、昭和15年に作られた「隣組の歌」が。
パワーポイントによる映像と音楽に、50人余りの聴衆は気づいた。安心安全な街づくりをめざし、 「近助の精神」 に基づく 「防災隣組」 の構築と活性化の大切さに。

「隣組」 作詞 岡本一平
とんとんとんからりんと隣組
地震や雷 火事どろぼう
互いに役立つ用心棒
助けられたり助けたり
(報告・H26.5.21 藤下進)