千葉県北部支部 船橋市中央公民館公開講座の一環として 「ハザードマップから船橋市本町周辺の被害を考察する」講座を実施
船橋市中央公民館公開講座の一環として
「ハザードマップから船橋市本町周辺の被害を考察する」講座を実施

10月3日(金)13:00~14:45、船橋市中央公民館公開講座「今後起こりうる大震災に備える~いざという時、あなたはどうしますか」の一環として表題の講座が千葉県北部支部担当で実施されました。当講座は船橋市内在住、在勤、在学者を対象として9月中旬から10月中旬にわたり計4回のシリーズで実施され、大規模震災発生に備え、対応するために役立つ基本的な知識の習得を狙いとするものです。当支部担当以外の講座としてはクロスロード、液状化に関する講座、AED・伝言ダイヤルの実技演習が行われています。

今回の受講者は計26名、5班に分かれて船橋市本町地区を対象としたDIG演習を行いました。当支部からは伴登防災士が進行説明役をつとめ、他に9名の防災士が各班の作業進捗管理・指導を担当しました。
まず、簡単にDIGの目的が説明され、本町地区での災害を考える上で必要となる地区南部での埋立ての経緯等が説明されました。
その後、船橋市本町地区を中心とした1/2,500の地図を使用し、まちの構造(地形、河川や交通網等)や防災資源等の配置状況の作図(色塗り)を各班で行い、まちの特徴と想定される災害について考えました。受講者からは次のような発表があり ました。
「北部は標高が高いが、特に国道14号線以南が水に囲まれた低地であり、建築物が密集した危険な地域である、市役所の標高も3m未満である。また砂地盤であるので地震の際は液状化が発生し、かつ隘路のため火災発生時の避難が困難になると思われる。また、多くの鉄道路線が集中しており多数の帰宅困難者発生が予想される。」
続いて、この地区で想定される災害である水害、土砂災害、高潮、火山噴火(降灰)、地震、液状化、津波等について、ハザードマップによる説明が行われ、それを受けて各班で首都直下地震の被害とその対策について自助・共助の観点から考えました。受講者からの発表内容は次の通りでした。
「生活インフラや工場地帯のインフラの破壊、ライフラインの途絶、帰宅困難、火災等の被害が考えられる。対策としては、家具固定、備蓄、早期避難、コミュニティのつながり強化、転居、災害を想定した安否確認方法の確認、初期消火などが必要だ。」

最後に質疑応答が行われ、軟弱地盤のリスクが有る地域への船橋市からの補助・対策や火災発生時に安全な避難通路が確保できない場合の対策について質問が有りました。火災対策については谷防災士から、スピンドルバルブを活用した自助による初期消火の必要性の紹介があり、また船橋市が整備した海水等を利用した大規模消火システムについての説明がなされました。
今回受講された皆さんはDIGの体験が初めてで、作業開始時には戸惑いや混乱も見られましたが、作業や考察を進めるにつれて様々な気付きが生まれ、多岐にわたる意見の共有を行うことができました。今回は時間の関係で駆け足のDIG演習でしたが、この講座がハザードマップを見なおし、各自のまちのリスクや自助・共助について考えを深めるきっかけになったのではないかと思います。(報告:青山防災士)
