千葉県北部支部 H26年度習志野市大久保小学校校区防災訓練支援
H26年度習志野市大久保小学校校区防災訓練支援

10月4日(土)10:00~12:00、大久保小学校校区自主防災組織連絡会主催、習志野市危機管理課及び大久保小学校の協力による、H26年度大久保小学校校区防災訓練が大久保小学校で実施されました。当訓練の主旨は、3年前の東日本大震災において習志野市内で帰宅困難者、液状化被害が発生したことに鑑み、震度6強の大地震の発生を想定し、避難所となる大久保小学校がどのような状態になり、避難所に来た住民がどの様に生活するかを考える事を目的としたものです。当支部からは同校区在住の筒井防災士が事務局の一員として進行役をつとめ、他に4名がHUGのファシリテーターとして支援を行いました。参加した住民は約36名、訓練に先立ち東日本大震災における各自の状況と行動に関する事前アンケートが行われました。
まず、事務局による訓練の主旨説明等の後、東日本大震災当日の記録映像が上映され、習志野市危機管理課による校区のハザードマップや避難所立上げや運営の流れに関する説明、大久保小学校教頭による学校の災害対策や関連施設の説明が行われました。続いて全員でシェイクアウト訓練を実施しました。
その後住民と市職員の計39名が4班に分かれて、約40分間にわたりHUGを実施しました。ある程度進行した段階で一旦作戦タイムが設けられ、ある班では避難所受入れ初期から避難者の協力により受付、名簿作成、防災倉庫の物資活用(テント設営、簡易トイレ設置)等役割分担をし、避難所を機能させる必要性が話し合われました。

HUG演習の後に意見交換が行われ、①震度6強の地震に襲われた避難所の開設前の状況と住民の対応、②避難所の開設を行うための住民、町会・自治会の対応について参加者が意見を出し合いました。班ごとの発表では、被害状況の把握、住民が集まって行動をする、避難者同士で協力する、避難所開設について担当者の指示を待つ、協力しあって要援護者のケアをする、役割分担を行い行動する(協力者を募る)、情報を取りまとめて共有する、電源・食料を確保するといった自助・共助を意識した意見が数多く出されました。
最後に危機管理課より防災倉庫に備蓄されている組立トイレや病人・けが人のケア体制等について説明がなされました。
HUGと考察・意見交換を組み合わせた訓練を一人でも多くの住民に経験して頂くことにより、災害時により多くの住民が秩序ある冷静な行動を取り、周囲を統率することができるようになる事が実感できました。また、今回は市のマニュアルと関連付けたHUGの試みとして行われた訓練であり、この試みを踏まえた更なる検討が必要ですが、HUGと考察・意見交換をうまく活用する事で、より参加者の実情や役割に則した訓練効果が得られたことが印象的でした。今後のHUG、DIGをツールとして活用した柔軟な訓練企画に向けて、大変示唆に富んだ訓練であったように思います。(報告:青山防災士)
